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大阪地方裁判所 昭和45年(わ)3436号 判決 1972年9月07日

一、本店の所在地

大阪市東区南久宝寺町五丁目一一番地

商号

大阪給食株式会社

代表者代表取締役

小泉益夫

二、本籍

豊中市栗ケ丘町一七五番地

住居

豊中市栗ケ丘町一七五番地

大阪給食株式会社代表取締役

小泉益夫

昭和七年二月二二日生

右両名に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官忠海弘一出席して審理し、次のように判決する。

主文

被告人大阪給食株式会社を罰金六五〇万円に、被告人小泉益夫を罰金二五〇万円に各処する。

被告人小泉益夫において、その罰金を完納することができないときは、金一万円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置する。

訴訟費用は被告人両名の連帯負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告人大阪給食株式会社は大阪市東区南久宝寺町五丁目一一番地に本店を置き職域集団給食を業とするもの、被告人小泉益夫は右大阪給食株式会社の代表取締役としてその営業全般を統轄しているものであるが、被告人小泉益夫は被告人大阪給食株式会社の業務に関し法人税を免れようと企て、

第一、被告人大阪給食株式会社の昭和四一年九月一日から昭和四二年八月三一日までの事業年度における所得金額が四五、五七六、九五三円、これに対する法人税額が一五、二九六、三〇〇円であるのに、公表経理上架空仕入を計上し期末たな卸原材料の一部を除外する等の不正な方法により右所得金額中三〇、七九一、八五〇円を秘匿したうえ、昭和四二年一〇月三一日大阪市東区東税務署において、同税務署長に対し右事業年度の所得金額が一四、七八五、一〇三円これに対する法人税額が四、五三四、〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、よつて同年度分の法人税一〇、七六二、三〇〇円を免れた、

第二、被告人大阪給食株式会社の昭和四二年九月一日から昭和四三年八月三一日までの事業年度における所得金額が五〇、七八四、四六九円、これに対する法人税額が一七、〇九三、四〇〇円であるのに、架空仕入を計上し売上の一部を除外しかつ期末たな卸原材料の一部を除外する等の不正な方法により右所得金額中三〇、七三六、七八九円を秘匿したうえ、昭和四三年一〇月三一日前記東税務署において、同税務署長に対し右事業年度の所得金額が二〇、〇四七、六八〇円これに対する法人税額が六、三四五、四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、よつて同年度分の法人税一〇、七四八、〇〇〇円を免れた、

第三、被告人大阪給食株式会社の昭和四三年九月一日から昭和四四年八月三一日までの事業年度における所得金額が四七、八一〇、三八六円、これに対する法人税額が一六、二〇七、九三〇円であるのに、架空仕入を計上し売上の一部を除外しかつ期末たな卸原材料の一部を除外する等の不正な方法により右所得金額中二五、八二二、六二五円を秘匿したうえ、昭和四四年一〇月三一日前記東税務署において、同税務署長に対し右事業年度の所得金額が二一、九八七、七六一円これに対する法人税額が七、〇一一、〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、よつて同年度分の法人税九、〇三〇、一〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

判事全事実について、

一、第五回公判調書中、証人田中精之の供述部分

一、東税務署長作成の昭和四五年九月一八日付証明書三通

一、被告会社の定款写(被告人小泉益夫作成の証明書に添付のもの)

一、登記官作成の商業登記簿二通(被告会社分)

一、垣内一夫(二通)、中川雅夫、九里庄八郎(三通)、瀬村起よ、山崎肇、細田欣哉、黒地光男、小畑五郎(二通)小田博の収税官吏に対する各質問てん末書

一、岡本隆夫、大西亮一、武田正保、中道敏雄、関口宗次郎、九里庄八郎、田中頼雄、藤井善一、小田博、垣内一夫、中川雅夫の検察官に対する各供述調書

一、大西亮一作成の供述書

一、国税査察官(収税官吏)作成の調査報告書計九通(田中精之作成の昭和四五年七月一五日付、山崎商店分、玉安米穀店分各一通および菊池和夫作成の同年五月一三日付一通を除く)

一、被告人の収税官吏に対する昭和四五年一月二七日付、同年五月七日付、同年六月一九日付、同月二三日付、同月二五日付、同年七月一日付、同年八月五日付各質問てん末書および検察官に対する同年一〇月一六日付、同月二二日付各供述調書

一、被告人作成の確認書

一、押収してある支払台帳三冊(昭和四六年押第七三〇号の一)、買掛帳四綴(一三期、同押号の二)、買掛品台帳(一四期本社分、同押号の三)、在庫表綴三綴(同押号の六)、請求書三九綴(一五期・一四期・一三期、同押号の七、八および一一)、納品書二四綴(一三・一四期本社分、同押号の一〇、一二)、得意先元帳四綴(同押号の一五、五六、五七)、ホテル請求内訳ノート一冊(同押号の一六)、売掛帳一三綴(九里米穀店分中六綴・千船米穀店分一綴・西林中谷商店分一綴・中川油脂分五綴、同押号の一八、一九、二三、二五、四七ないし五二)納品受取書二四綴(昭和四二年一月から昭和四三年一二月まで、同押号の二二)、納品伝票二五冊(同押号の二六、六五)売上仕入関係資料一綴(同押号の二八)、四三年分手板一二綴(同押号の三四)、請求複写簿一冊(同押号の三七)納品複写簿二冊(同押号の三八)、原魚商品出納簿四綴(同押号の三九)、納品書二三冊(梅田冷蔵分、同押号の四〇、四三)、荷渡し依頼書五冊(同押号の四一、四二)、証券控二綴(同押号の四四、四五)、原魚商品出納帳一綴(同押号の四六)、日計表三三綴(同押号の五三から五五)、仮払伝票納品伝票綴り一綴(同押号の五八)、受取証三綴(同押号の五九)、四四年大阪台帳一綴(同押号の六二)、四四年仕入帳一綴(同押号の六三)、大阪伝票一八綴(同押号の六四)、領収書綴り三綴(同押号の六六から六八)

判示第一の事実について、

一、収税官吏三木政規のほか三名作成の銀行関係調査書類

一、押収してある管理日誌綴り一綴(昭和四六年押第七三〇号の一三)、売掛帳二綴(九里米穀店四一年分、同押号の一七)、納品受取書二四綴(昭和四〇年一月から四一年一二月まで、同押号の二〇)、四一年分手板一二綴(同押号の三一)

判示第二の事実について、

一、国税査察官(収税官吏)菊池和夫作成の昭和四五年五月一三日付調査報告書

一、安田成広の収税官吏に対する質問てん末書

一、安田和広作成の供述書

一、猪狩すみ作成の確認書

一、被告人の検察官に対する昭和四五年一〇月二六日付供述調書

一、押収してある売掛帳一綴(昭和四四年一月から同年七月まで九里米穀店分、昭和四六年押第七三〇号の二一、四二年分手板二四綴(同押号の三二、三三)、売買明細書・集金台帳各一綴(同押号の六〇、六一)

判示第三の事実について、

一、国税査察官田中精之作成の昭和四五年七月一五日付調査報告書二通(山崎商店分・玉安米穀店分)および同日付調査書一通

一、山崎正治の収税官吏に対する質問てん末書

一、山崎正治(二通)、竹島安太郎、梁村奈智城の検察官に対する各供述調書

一、九里庄八郎作成の確認書

一、小田博、山崎正治作成の各供述書計二通

一、被告人の検察官に対する昭和四五年六月二五日付供述調書

一、押収してある買掛帖二綴(一五期本社分、昭和四六年押第七三〇号の五)、未収金台帖三綴(同押号の五)、納品書一二綴(一五期本社分、同押号の九)、一六期納品書綴り一綴(同押号の一四)、納品受取書一四綴(昭和四四年一月から昭和四五年二月まで、同押号の二四)、売上帖一綴(同押号の二七)、販売日計表一二綴(同押号の二九)、納品書請求書領収書綴り一二綴(同押号の三〇)、四四年分手板一二綴(同押号の三五)、給食関係売上帳一綴(同押号の三六)

(法令の適用)

被告人らの判示所為はいずれも法人税法一五九条一項(法人の処罰につき、なお一六四条一項)に該当するが、被告人小泉益夫につき所定刑中罰金刑を選択し、以上の罪は刑法四五条前段の併合罪なので同法四八条二項により右罰金額を合算した金額の範囲内において、被告人大阪給食株式会社を罰金六五〇万円に、被告人小泉益夫を罰金二五〇万円に各処し、被告人小泉益夫につき刑法一八条を適用して同被告人においてその罰金を完納できないときは金一万円を一日に換算した期間右被告人を労役場に留置することとし、なお刑事訴訟法一八一条一項、一八二条を適用して訴訟費用は被告人らに連帯して負担させることとする。

よつて、主文のように判決する。

(裁判官 砂山一郎)

右は謄本である

昭和四七年九月一九日

大阪地方裁判所

裁判所書記官 田村到

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